刑事事件の基礎知識

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2019.05.14更新

【 Q 】

息子が万引きをして現行犯逮捕されました。警察から聞いた話によれば,これまでに何度も万引きをしていたようです。すぐに家に帰ってこられるのでしょうか。

万引きで逮捕されたらすぐに家に帰れる?

【 A 】

まずは,逮捕後の流れを見ていきましょう。

① 逮捕後48時間

被疑者が現行犯逮捕された場合,逮捕された時から48時間以内に検察官に送られます。
もっとも,事案によっては,検察官に送られず,釈放される場合があります。例えば,万引きはしたものの,100円の商品を1個万引きした,というケースでは,すぐに釈放される可能性は十分あるでしょう。

② 逮捕後72時間

被疑者が検察官に送られた場合,検察官は,被疑者を受け取った時から24時間以内に,勾留請求するかどうかを決めます。
検察官が裁判所に勾留請求をしない場合には,その時点で被疑者は釈放されることになります。したがって,この段階であれば,逮捕から72時間以内に被疑者は釈放されます。

③ 勾留(最大20日間)

検察官が裁判所に勾留請求をした場合,裁判官が勾留するかどうかを決めます。
裁判官が被疑者の勾留をしない場合には,その時点で釈放されることになりますが,勾留をする場合には,原則として10日間勾留されることになります。検察官は,裁判所に対し,さらに10日間の勾留の延長を請求することができます。したがって,被疑者は,最大で20日間勾留されることになります。

勾留請求されるのは,被害金額が大きく,過去に何度も万引きをして逮捕されているなど,事案が軽微でないケースが多いと思われます。

そして検察官は,勾留期間が満了する前に,被疑者を起訴するかどうかを決めます。

④ 起訴後勾留(無期限)

被疑者は起訴されると被告人という立場になりますが,被告人は,起訴後にも勾留される場合があり,最初に2か月間勾留され,その後,1か月毎に勾留が更新されることが多いです。

もっとも,保釈により勾留が停止され,身柄が解放される場合もあります。保釈が認められるためには保釈保証金が必要ですが,万引きの場合,事案にもよりますが,100万円~200万円程度は必要だと思われます。

⑤ 判決

被告人が罰金や執行猶予判決を受けた場合には,判決の言渡しによって勾留は失効します。
したがって,罰金や執行猶予判決まで勾留されているようなケースでは,この時点でようやく釈放されることになります。逮捕された時点から身柄が解放されるまで,早くても5ヶ月程度はかかるものと思われます。

万引きで逮捕されたらすぐに家に帰れる?

■ 質問に戻りましょう。

今回は,「息子が万引きをして現行犯逮捕されました。警察から聞いた話によれば,これまでに何度も万引きをしていたようです。」というお話なので,息子さんの万引きが発覚したのは今回が初めてであると思われます。
今回の万引きをした商品の金額や,被害者の感情などにもよりますが,おそらく,勾留される可能性は低いと思われます。

したがって,「すぐに家に帰ってこられるのでしょうか」という質問に対しては,「万引きした商品の金額が小さく,被害者が許しているのであれば,48時間~72時間以内に家に帰ってこられる可能性は高いでしょう。」という回答になります。

■ さいごに

今回の質問に関しては以上のとおりとなりますが,万引きも事案によっては勾留が長引きますので,逮捕されたら早めに弁護士に相談することをおすすめします。
特に,逮捕期間中の面会は,弁護士のみ認められていますので,身内の方が逮捕されたらすぐに,弁護士に被疑者との面会を依頼し,事情を把握するべきでしょう。

 

投稿者: 弁護士法人桑原法律事務所

2019.05.14更新

【 Q 】

万引き(窃盗罪)で逮捕された場合,不起訴にできますか?

万引きでの逮捕を不起訴にできますか?

【 A 】
■ 起訴,不起訴を決めるのは「検察官」

刑事訴訟法では,「犯人の性格,年齢及び境遇,犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況により訴追を必要としないときは,公訴を提起しないことができる。」と定められています(刑事訴訟法248条)
したがって,検察官は,様々な事情を考慮して,起訴,不起訴を決めます。

窃盗罪に限ったものではありませんが,平成29年版犯罪白書によれば,刑法犯の起訴率は,38.2%であり,起訴されないことも十分にありえます。

■ 起訴の判断材料

検察官が起訴の判断を行う際の一材料として,被害弁償がなされているか示談が成立しているのかも考慮要素となります。犯人本人が,被害弁償と謝罪に赴いたとしても相手にされないことも少なくなく,このような場合に,弁護士が入ることで,被害弁償や示談が進むこともあります。

また,何度も万引きを繰り返してしまうという場合には,治療が有効な場合も少なくないため,弁護士が,その旨を検察官に対して述べることもあります。

■ まとめ

以上をはじめとした,弁護士の様々な活動によって,不起訴となる可能性が高まると考えられます。
ですので,逮捕された場合には,まず弁護士に相談していただくのが重要です。

 

投稿者: 弁護士法人桑原法律事務所

2019.05.14更新

【 Q 】

万引きで逮捕されました。初犯ですが,前科はつくのでしょうか。

万引きの初犯で前科はつきますか?

【 A 】

前科がつくということは,検察官によって起訴され,裁判で有罪となることをいいます。
したがって,検察官に起訴されず,裁判とならなければ,前科はつきません。

■ 起訴の権限は検察官が有する

日本の刑事司法においては,起訴の権限を有しているのは検察官です。検察官は,起訴をするのか,しないのかについて裁量権を有しています。
罪を犯したからといって,必ず検察官が起訴するとは限りません。実際に,平成29年版犯罪白書によれば,平成28年の刑法犯は,認知件数が99万6120件,検挙件数が33万7066件であるところ,起訴数は,7万3060件となっています。

■ 微罪処分について

また,軽微な事件の場合には,微罪処分といって,検察官に事件が送られないこともあります。微罪処分の基準については,あらかじめ,検事正が定めています。

■ まとめ

初犯の万引きの場合,犯罪の悪質性にもよりますが,基本的には,微罪処分起訴猶予処分となり,検察官から起訴されることはないのではないかと考えられます。
したがって,前科はつかないのではないかと思われます。

もっとも,逮捕されたことにより,前歴は残ることになりますので,万が一再度罪を犯した場合には,厳しい処分がなされる可能性があります。

適切な処分がなされるように,まずは弁護士にご相談されることをおすすめします。

 

 

投稿者: 弁護士法人桑原法律事務所

2019.05.14更新

【 Q 】

参考人と重要参考人の違いはなんですか?

 参考人と重要参考人の違いとは?

【 A 】
■ 参考人とは

「参考人」とは,犯罪捜査の過程で,捜査機関に取調べを受ける,被疑者以外の者をいいます。
事件について参考になりうる情報や専門知識をもっている人物がこれにあたり,目撃者や専門家が代表的です。

なお,刑事訴訟法223条に,捜査機関は,これらの者の取調べをすることができると規定されています。

■ 重要参考人とは

一方,「重要参考人」とは,参考人のうち,犯罪の嫌疑が濃いと捜査機関が考えている者をいいます。

■ 重要参考人と被疑者との違い

そうすると,重要参考人と被疑者との違いがあいまいになってきますが,この点については,以下のように考えられています。

東京高等裁判所昭和49年10月2日判決によれば,
「単に捜査官が主観的に嫌疑を抱いて取調べをしたというだけでは足らず,捜査官が,犯人としてその者の刑事責任の存否を決めるための手続きを開始したと客観的に認められる時から被疑者となる」
とされています。

つまり,犯人としてその者の刑事責任を追及するための取調べが開始される前まではあくまで重要参考人であり,開始後被疑者と呼ばれるようになります。

 

投稿者: 弁護士法人桑原法律事務所

2019.03.05更新

【 Q 】

容疑者」と「被疑者」の違いは何ですか?

 

【 A 】

広辞苑によると,両者の定義は以下のようになっています。

容疑者」=「犯罪の容疑をもたれた者。法律では被疑者という。」
被疑者」=「起訴されていないが,犯罪の嫌疑を受けて捜査の対象となっている者。容疑者。」
 (岩波書店「広辞苑(第六版)」より引用)

つまり,容疑者と被疑者は同じ意味ということになります。

一般に,マスコミの報道などでは容疑者という言葉を耳にする機会が多いと思いますが,それを法律の世界では被疑者と呼んでいるという違いに過ぎません。

これに対し,「被告人」とは,刑事事件において,犯罪を犯したとして起訴され,訴訟が係属中の者をいいます。ですので,被疑者が起訴された場合,被告人と呼び方が変わることになります。

被疑者と被告人という言葉は似ているため,被疑者ではなく容疑者と表現するほうが,一般的には理解しやすいのかもしれませんね。

 

投稿者: 弁護士法人桑原法律事務所

2019.02.15更新

取調べとは,わかりやすく説明をすると,捜査機関が,被疑者に対して,事件について聴くことです。第三者に対する取調べもありますが,今回は,(身柄が拘束されていない)被疑者に限定してみていきます。

■ 取り調べについての規定

取調べについては,刑事訴訟法198条に定めてあります。

刑事訴訟法198条
検察官、検察事務官又は司法警察職員は、犯罪の捜査をするについて必要があるときは、被疑者の出頭を求め、これを取り調べることができる。但し、被疑者は、逮捕又は勾留されている場合を除いては、出頭を拒み、又は出頭後、何時でも退去することができる。
2 前項の取調に際しては、被疑者に対し、あらかじめ、自己の意思に反して供述をする必要がない旨を告げなければならない。
3 被疑者の供述は、これを調書に録取することができる。
4 前項の調書は、これを被疑者に閲覧させ、又は読み聞かせて、誤がないかどうかを問い、被疑者が増減変更の申立をしたときは、その供述を調書に記載しなければならない。
5 被疑者が、調書に誤のないことを申し立てたときは、これに署名押印することを求めることができる。但し、これを拒絶した場合は、この限りでない。
■ 供述を強制することはできない

第1項に規定されているとおり,被疑者は,身体を拘束されている場合を除いて,出頭を拒むことができます。
また,出頭しても,いつでも退去できます(第1項但書)
さらに,被疑者は,自己の意思に反して供述する必要はありません(第2項)
このように,供述を強制することはできませんので,取調べは任意処分ということになります。

そして,被疑者の供述については調書に録取することができますが(第3項),この場合,調書を被疑者に閲覧させるか,読み聞かせて,誤りがないかどうかを確かめなければなりません(第4項)
もし,誤りがあれば,被疑者に署名押印を求めることができず,また,誤りが無くても,署名押印を拒絶することができます(第5項)

仮に,取調べを強制的に行われ,署名押印も拒絶できないとすれば,虚偽の自白が生み出され,被疑者の人権が侵害されるおそれがあります。そこで,上記のように規定されているのです。

■ 弁護人の活動

もっとも,上記のような規定に反する取調べが行われる可能性もあります。
弁護人としては,違法な取調べが行われ,その取調べによって作成された調書があるような場合は,その調書には証拠能力がない等と主張して,公判で争うことになります。

なお,余談ですが,現在では,取調べの際の弁護人の立会いを認めた規定はありません。
最近のカルロス・ゴーン氏の逮捕により,日本の司法制度が批判されていますが,取調べに弁護人が立ち会えないというのは,諸外国からすればかなり問題のある制度のようです。

 

 

投稿者: 弁護士法人桑原法律事務所

2019.02.14更新

どのような状態になれば,「窃盗が完了した」と評価されるのでしょうか。


抽象的には,【他人の占有を排し,財物を行為者または第三者の占有に移した時点】を指します。
これを具体的にすると,財物の性質形状占有の状態行為態様を考慮して判断するということになります。

目的物が小さくて容易に携行できる場合,現場での取得あるいは隠匿で足ります。
例えば,万引きの場合には,ポケットやカバンの中に目的物をいれた時点で窃盗が完了したと評価されることになります。店舗外にまだ出ていないからといって,窃盗が完了していないとは通常は認められません。

一方で,目的物が,身に付けられない大きさの物の場合,目的物の性質や周囲の状況により,窃盗が完了したのかの判断が異なってきます。

窃盗が完了したか否かは,処分や量刑に大きくかかわる事項ですので,事前に弁護人と十分に協議していただければと思います。

 

投稿者: 弁護士法人桑原法律事務所

2019.02.14更新

■ 刑の種類

刑事裁判で有罪となった場合の刑の種類としては,死刑懲役禁錮罰金拘留及び科料があります。
また,付加刑として,没収があります(刑法9条)
これら以外は,刑の一種に類似するものであっても刑ではありません。

■ 懲役,禁錮,拘留 ―自由刑―

懲役,禁錮,拘留は,身体拘束を受ける刑(自由刑)のことをいいます。

懲役は,無期か,1月以上20年以下の身体拘束を受ける刑であり,規則的労働を強制されます。
禁錮は,期間については,懲役と同じですが,規則的労働を強制されません。
拘留は,1日以上30日未満の身体拘束を受ける刑であり,規則的労働を強制されません。

■ 罰金,科料 ―財産刑―

罰金,科料は,一定の金額の剥奪を目的とする刑(財産刑)のことをいいます。
罰金は1万円以上であり,科料は1000円以上1万円未満の金額と定められています。

これらが,刑の内容ですが,刑法には,執行猶予というものも定められています。

■ 執行猶予とは

執行猶予とは,法律で定められた要件を満たす者が,3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金の言渡しを受けたときは,情状により,1年以上5年以下の期間,その執行を猶予することができるという制度であり(刑法25条),上記の刑の宣告がされても直ちに刑に処されるのではなく,その執行が猶予されるというものです。
そして, 執行猶予を取り消されることなく,執行猶予の期間を経過したときは,刑の言い渡しはその効力を失います(刑法26条)

■ まとめ

したがって,執行猶予がつかなければ,直ちに刑事施設に収容されたり,罰金を支払ったりしなければならなくなります。
懲役,禁錮について,執行猶予がつくかつかないかは,その後の生活に非常に大きな影響を与えるものですので,弁護人と十分に協議していただければと思います。

 

 

投稿者: 弁護士法人桑原法律事務所

2019.02.08更新

万引きで逮捕された後はどうなるのでしょうか。

■ 逮捕後の身柄拘束

逮捕後は,最大で72時間身柄拘束され,その後,勾留された場合は,最大で20日間身柄拘束されることになります。

■ 身柄拘束された場合のデメリット

身柄拘束が長期に及んだ場合,勤務先から解雇される可能性もありますので,被る不利益は非常に大きいです。
逮捕された場合はすみやかに,弁護人を選任し,身柄解放に向けて活動してもらいましょう。

■ 弁護人の活動

弁護人は,検察官に対して勾留請求しないよう求め,仮に勾留請求された場合には,裁判所に対して勾留請求却下を求めます。

残念ながら,このような請求は認められにくいのが現状ですから,刑事事件に精通した弁護人を選ばれることをおすすめいたします。
当事務所には,勾留を未然に阻止した実績や勾留の取消しを認めさせた実績が豊富にありますので,お困りの方は是非お早めにご相談ください。

万引きで逮捕後は

投稿者: 弁護士法人桑原法律事務所

2019.02.08更新

万引きでの逮捕で,犯行直後ではなく,後日警察が逮捕するケースはあるのでしょうか。
結論から言うと,後日逮捕されるケースはあります。

■ 万引きで後日逮捕されるケース

後日逮捕されるケースとしては,例えば,

スーパーの店員が,陳列棚の商品が減少しているのに売り上げが計上されていないことに気づき,監視カメラをチェックしたところ,被疑者が万引きをしていた状況が監視カメラに記録されていた。警察に被害届を出し,警察が捜査をしたところ被疑者が特定できたため逮捕した。

といったケースが考えられます。

■ まとめ

以上のように,証拠が残っていれば警察は被害届を受理して捜査をしますので,後日逮捕がされる可能性は十分あるといえるでしょう。

もっとも,証拠の内容や被害額などの事件態様や,逮捕要件を充たすかなど,検討すべき事情は多くあります。
そうであるとしても,万引きは重大な犯罪の一つであり,スーパーを経営している事業者にとっては許せない行為でしょうから,やはり逮捕される可能性は十分あると認識しておくべきでしょう。

万引きで後日逮捕されるケースとは

投稿者: 弁護士法人桑原法律事務所

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