刑事事件の基礎知識

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2018.12.13更新

親族間で窃盗が起きた場合どのようになるのでしょうか。
親族であれ,他人の財物を窃取していることから,窃盗罪により処罰されるのでしょうか。

親族間の窃盗

■ 刑法には,以下のような規定があります(刑法244条)

① 配偶者,直系血族又は同居の親族との間で第235条の罪,第235条の2の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯した者は,その刑を免除する。
② 前項に規定する親族以外の親族との間で犯した同項に規定する罪は,告訴がなければ公訴を提起することができない。
③ 前2項の規定は,親族ではない共犯については,適用しない。

 

窃盗犯人が,被害者とどのような親族関係にあるのかで,状況が変わってきます。

窃盗犯人が,被害者の配偶者直系血族同居の親族の場合には,刑が免除となります。
なお,親族とは,6親等内の血族,配偶者及び3親等内の姻族をいいます(民法725条)。このような親族関係の場合には,免除にあたることが明らかですので,通常は,起訴されないと考えられます。

窃盗犯人が,被害者の親族ではあるが,上記のような親族関係ではない場合,告訴がなければ,検察官は公訴することができません。

なお,この規定は,詐欺・恐喝及び横領の罪に準用されています(刑法251条・255条)

■ さいごに

親族間の財産の問題については,刑事上は,法は立ち入りませんので,他の方法によるほかありません。
親族間のトラブルが発生した場合には,お早めにご相談ください。

親族間の窃盗

 

投稿者: 弁護士法人桑原法律事務所

2018.12.13更新

窃盗を行ったとしても,そのあとの行為によっては,強盗となる可能性があります。
このようなものを事後強盗といいます。

事後強盗とは

■事後強盗とは

事後強盗とは,「窃盗が,財物を得てこれを取り返されることを防ぎ,逮捕を免れ,又は罪跡を隠滅するために,暴行又は脅迫をしたとき」と定められています(刑法238条)

① まず,主体は窃盗犯人です。
窃盗に着手していればよいので,窃盗を行っている途中で犯行が発覚した場合であっても,事後強盗の主体となります。

② また,法定の目的をもって,暴行又は脅迫をする必要があります。
法定の目的には,「財物を得てこれを取り戻されることを防ぐ目的」,「逮捕を免れる目的」,「罪跡を隠滅する目的」があります。

③ 暴行又は脅迫がなされる必要がありますが,その程度は,事後強盗も強盗ですので,相手の反抗を抑圧するに足りる程度のものである必要があります。

たとえば,【スーパーで万引きをし,それが発覚し,捕まらないように逃げ,その際,店員や警備員に,暴行又は脅迫を行った】場合,事後強盗となる可能性があります。

 

■事後強盗の法定刑

事後強盗は,強盗なので,法定刑は5年以上の有期懲役となります。
窃盗の法定刑が,10年以下の懲役又は50万円以下の罰金であることからすれば,単なる万引きであると思っていたとしても,思いがけず重い罪になる可能性があります。

お困りの際には,お早めにご相談ください。

事後強盗とは

 

投稿者: 弁護士法人桑原法律事務所

2018.12.13更新

強盗とはどのような犯罪でしょうか。

よくあるイメージとしては,【犯人が,銀行に赴き,ナイフや拳銃を手に,行員に対し,「金を出せ。」と言い,出された現金を奪う】ということがあると思います。

刑法では,「暴行又は脅迫を用いて他人の財産を強取した者」を強盗犯人と規定しています(236条)

強盗とは

■「暴行又は脅迫」とは

ここでいう,「暴行又は脅迫」とは,単に暴行又は脅迫があったというだけでは足りず,被害者の反抗を抑圧するに足る程度のものである必要があります。
ナイフや拳銃を突きつけるのであれば,通常は,被害者の反抗を抑圧するに足る程度の暴行又は脅迫であると言えます。

■「強取」とは

強取」とは,相手方の反抗を抑圧するに足りる暴行又は脅迫を手段として,財物の事実上の占有を自己が取得し,又は第三者に取得させることを言います。
ナイフや拳銃を示して,現金を手にすることは,相手方の反抗を抑圧するに足りる暴行又は脅迫を手段として,財物の事実上の占有を自己が取得したといえますので,強取にあたるといえます。

■まとめ

したがって,上記の【 犯人が,銀行に赴き,ナイフや拳銃を手に,行員に対し,「金を出せ。」と言い,出された現金を奪う 】という例は,強盗にあたるといえます。

上記の例は典型的な強盗の場合ですが,ひったくりであっても,状況によっては強盗となる可能性があります。

 

ご不明点がおありでしたら,当事務所までご相談ください。

強盗とは

 

 

 

投稿者: 弁護士法人桑原法律事務所

2018.12.10更新

【事例】
成年である息子さんがスーパーで万引き(窃盗)をして,その後,逮捕されたというケース

事例のように,スーパーでの万引き(窃盗)で息子さんが逮捕された場合で,息子さんが万引きの事実を認めている場合には,万引きの被害者であるスーパーに対し,謝罪被害弁償をして,示談をすることが重要になります。

謝罪や被害弁償をすることで,スーパー側から許してもらい,厳しい処罰までは求めないということになれば,起訴されない可能性が出てくるためです。

■ 示談対応は誰がする?

しかし,本人は身柄を拘束されていますので,そのような対応は困難です。

そこで,ご両親に,被害弁償金をご用意いただくとともに,弁護士とともに,直接店舗に赴いて,一緒に謝罪をしていただくことがあります。

このような対応をしていただくことで,被疑者である息子さんのために,どのような対応をご両親がされたのか,捜査機関側にも報告することができます。
被疑者のために熱心に動かれたという事実から,検察官が,このご両親なら息子さんを見捨てることなく,更生のために協力してくれるのではないか,と考えることもあると思われます。

家族や身内が逮捕されたら

■ 家族の協力が不可欠

このように,ご家族の一人が逮捕勾留された場合には,その他のご家族のご協力が不可欠となります。

特に,実際に被疑者が万引きをしてしまった場合には,原因は何なのか,今後どのように更生していくのか,更生のためにご家族がどのように被疑者を支えていくべきなのか,しっかり考える必要があります。

■ さいごに

弁護士が力になれるのは,被疑者ご本人やそのご家族にとってほんの一部分にすぎません。
本当に重要なのは,事件が解決した後,被疑者がどのように更生するかということであることを,ご理解いただきたいと思います。

家族や身内が逮捕されたら

 

投稿者: 弁護士法人桑原法律事務所

2018.12.10更新

ここでは,ご家族が逮捕後,勾留された場合について説明します。

■ 勾留期間

逮捕から72時間以内に検察官が勾留請求をし,裁判所が勾留を決定した場合,原則として10日間,最大で20日間,勾留されることになります。
勾留後に,身柄が拘置所などに移される場合もあるので,注意が必要です。

■ 勾留期間中の面会

勾留期間中は,逮捕後の留置期間中とは異なり,ご両親も息子さんと面会することができます。

しかし,ご両親の面会の場合には,弁護士と異なり,大きな制限があります。

例えば,博多署の場合,平日の午前10時~11時,午後2時~4時,1日1回,15分以内,という制限があります(平成30年10月5日現在)
※このような制限は,警察署ごとに異なりますので,あらかじめ,警察署に確認する必要があります。

このような制限があると,息子さんといろいろな話をすることが非常に難しくなります。

家族や身内が逮捕されたら

■弁護士に依頼するメリット

他方,弁護士には,面会の制限はありません。
土日祝日でも,午後11時でも,いつでも面会ができます。

そこで,事件対応に関する聴き取りは弁護士に任せていただき,ご両親には,息子さんを安心させ,生活面でのサポート(差し入れなど)に関する聴き取りを行ってもらうなど,役割を分担することが望ましいでしょう。

なお,差し入れについても,差し入れできる日,時間,物は限られていますので,事前に警察署に確認しましょう。

例えば,博多署の場合,平日の午前10時~11時,午後2時~4時という日時の制限があるほか,現金は2万円まで,衣類はひもがついていないもの,シャンプー,化粧品は不可など,差し入れ物についても制限があります(平成30年10月5日現在)

家族や身内が逮捕されたら

投稿者: 弁護士法人桑原法律事務所

2018.12.10更新

今回は,家族や身内が逮捕された場合の対応について説明します。

事例として,
【 成年である息子さんがスーパーで万引き(窃盗)をして,その後,逮捕されたというケース 】を考えてみましょう。

■ 逮捕されたらどうなる?―逮捕後の流れ―

まず,逮捕された場合,通常は,逮捕された現場を管轄する警察署に連れて行かれ,その警察署でしばらく過ごすことになります。

警察は,逮捕されたときから48時間以内に,逮捕された被疑者(息子)を検察官に送致しなければいけません。
そして,検察官は,被疑者の身柄を受け取った時から24時間以内に,勾留するか否かを決めて,裁判所に勾留の請求をすることになります。

すなわち,逮捕後の被疑者の留置期間は,最大で72時間ということになります。

■ 家族への連絡

逮捕後,警察から,被疑者の家族に対して,どんな罪で逮捕され,どこの警察署にいる,という報告がなされることが多いようです。

したがって,息子さんのご両親は,警察からの連絡で,息子が万引きで逮捕されたことを知ることになります。

ご両親としては,一刻も早く息子から事情を聴きたいと考えるでしょう。
しかし,留置されている間は,息子と会うことはできません。
息子と会うことができるのは,弁護士のみです。

そこで,まず,逮捕直後の段階では,まずは弁護士に相談をしていただき,息子さんから事情を聴くよう依頼していただくことが望ましいでしょう。

■ 弁護士の対応

弁護士は,依頼を受けた場合,息子さんが留置されている警察署に行って息子さんと会い(「接見」といいます。),事件等について,詳しい事情を聴きます。
そして,今後の手続の流れや黙秘権などについて説明をします。
そのほか,何か緊急に対応すべきことはないか,両親に伝えるべきことはないか,などについても聴き取りをします。
お仕事をされている方の場合は,職場にどのように説明すべきか,などの相談をされる方も多いです。

そして,弁護士は,息子さんから聴いた話をご両親にお伝えすることになります。
逮捕後,家族の方は大きな不安を抱えられることになりますが,早期に事情を詳しく知ることによって,落ち着かれる方は非常に多いと思われます。

家族が逮捕されたら

■ まとめ

早期に弁護士に依頼するメリットとしては,早い段階で事情を把握することにより,早めの対策が打てることのほかに,精神的な安定にもつながるといえます。
もちろん,何よりも,逮捕された被疑者にとって,早期の弁護士面会が非常に大きなメリットをもたらすことは言うまでもありません。

家族が逮捕されたら

投稿者: 弁護士法人桑原法律事務所

2018.12.10更新

 他人に貸しているものを返してもらえないので,勝手に取り返してもよいのでしょうか。


自身の所有する物であっても,他人に貸したことにより,その他人は正当な所持する権利を持つことになります。
そして,その他人の有する権利は,民事上も刑事上も保護されるべき権利となります。

そのような他人が持っている物を取り返すことは,刑事上,窃盗罪に該当します。

刑法242条にも,「自己の財物であっても,他人が占有し,または公務所の命により他人が看取するものであるときは,この章の罪については,他人の財物とみなす。」と規定されています。

もともと自分の物であるのに,取り返すことが犯罪となるなんておかしいと思われるかもしれませんが,自由な取り返しを許すとすると,法秩序が混乱することになりますので,自由な取り返しは認められていません。

このようなお困りごとがある方は,まずは当事務所までご相談ください。

 keiji

投稿者: 弁護士法人桑原法律事務所

2018.12.10更新

窃盗罪の種類にはいろいろなものがあります。
刑法上,窃盗とは,どのような行為を指すのかというと,「他人の財物を窃取した」と規定されています。

具体的な行為としては,以下のようなものが挙げられます。

・他人の住居に入り,その住居にあるものを持ち出した(侵入盗)。

・店舗に赴き,棚に陳列されている品物をポケットに入れて店外に出た(万引き)。

・駐車場に止めている他人の自動車の車内から物品を持ち出した(車上荒らし)。

・電車の中で,他人のズボンのポケットから財布をすり取った(すり)。

・カフェでカバンや財布を置いてトイレに行く客がいたので,その隙にそのカバンや財布を持って,店外に出た(置き引き)。

・夜道を歩いている人の背後から近づき,その人のカバンをひったくって逃走した(ひったくり)。

 

以上の種類も一例にすぎず,その他にも窃盗罪となる可能性のある行為は多数あります。
気になることがある場合には,当事務所へご相談ください。

 窃盗の種類について

投稿者: 弁護士法人桑原法律事務所

2018.10.26更新

今回は,執行猶予の効果について確認します。

まず,執行猶予の要件を満たすことにより,刑の執行が猶予されますので,一定期間刑の執行が実施されないことになります。
懲役刑でいえば,執行が実施されないということは,刑務所に入れられないということです。

次に,刑の全部の執行猶予の言渡しを取り消されることなくその猶予の期間を経過したときは,刑の言渡しは,その効力を失います(刑法第27条)
「取り消されることなく」とあるのは,執行猶予が取り消される場合があるからです。

執行猶予の効果

 

■執行猶予の取消しとは

執行猶予の取消しには以下の2つがあります。

必要的取消し
裁量的取消し

 

① 必要的取消し

執行猶予を取り消さなければならない場合

(ア)「猶予の期間内に更に罪を犯して禁錮以上の刑に処せられ,その刑の全部について執行猶予の言渡しがないとき」

(イ)「猶予の言渡し前に犯した他の罪について禁錮以上の刑に処せられ,その刑の全部について執行猶予の言渡しがないとき」

(ウ)「猶予の言渡し前に他の罪について禁錮以上の刑に処せられたことが発覚したとき」

ただし,(ウ)の場合において,猶予の言渡しを受けた者が刑法第25条第1項第2号(*1)に掲げる者であるとき,または刑法第26条の2の第3号(*2)にあたるときはこの限りではありません。

(*1) 第25条第1項第2号
前に禁錮以上の刑に処せられたことがあっても、その執行を終わった日又はその執行の免除を得た日から五年以内に禁錮以上の刑に処せられたことがない者
(*2) 第26条の2の第3号
猶予の言渡し前に他の罪について禁錮以上の刑に処せられたことが発覚したとき。


② 裁量的取消し

執行猶予を取り消すことができる場合

(ア) 猶予の期間内に更に罪を犯し,罰金に処せられたとき

(イ) 第25条の2第1項の規定により保護観察に付された者が遵守すべき事項を遵守せず,その情状が重いとき

(ウ) 猶予の言渡し前に他の罪について禁錮以上の刑に処せられ,その刑の全部の執行を猶予されたことが発覚したとき

 執行猶予の効果

 

 

投稿者: 弁護士法人桑原法律事務所

2018.10.26更新

今回は,執行猶予の言渡しの要件について確認します。
執行猶予には全部執行猶予一部執行猶予がありますが,以下では,全部執行猶予について解説いたします。

執行猶予には,以下の二つがあります。

初度目の執行猶予
再度の執行猶予

 

① 初度目の執行猶予(刑法第25条第1項)の要件

(ア)「前に禁錮以上の刑に処せられたことがない者」であるか,

(イ)「前に禁錮以上の刑に処せられたことがあっても,その執行を終わった日又はその執行の免除を得た日から5年以内に禁錮以上の刑に処せられたことがない者」であることが必要です。

そして,(ア) (イ)の者が,「3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金の言渡しを受けたとき」に「情状により」刑の執行を猶予することができます。


② 再度の執行猶予(刑法第25条第2項)の要件

「前に禁錮以上の刑に処せられたことがあってもその刑の全部の執行を猶予された者」であることが必要です。

この場合,「1年以下の懲役又は禁錮の言渡しを受け」た場合に限られます。①の「3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金の言渡しを受けたとき」とは異なり,かなり厳格な要件となっています。

また,「情状に特に斟酌すべきものがあるとき」でなければならず,この点においても,「情状により」とする①よりも厳格であるといえます。

そして,「刑法第25条の2の第1項の規定により保護観察に付せられ,その期間内に更に罪を犯した者」については,執行猶予は認められません。
もっとも,保護観察の期間内であっても,保護観察が仮に解除されたときは,それが取り消されるまでの間は保護観察に付されなかったものとみなされます(刑法第25条の2第3項)


以上が,全部執行猶予の要件となります。

 

なお,執行猶予の期間は,「裁判が確定した日から1年以上5年以下の期間」です(刑法第25条第1項)

 

 

投稿者: 弁護士法人桑原法律事務所

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