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2019.10.31更新

自動車を運転していたところ,過失により傷害を負わせたか,死亡させた場合には,自動車運転過失致死傷罪が成立します(刑法第211条第2項)

■ 自動車運転過失致死傷罪の刑罰

自動車運転過失致死傷罪は,単なる過失致傷罪よりも刑罰が重く,業務上過失致死傷罪や重過失致死傷罪よりも重く規定されています。

刑法第211条第2項
自動車の運転上必要な注意を怠り,よって人を死傷させた者は,7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。ただし,その傷害が軽いときは,情状により,その刑を免除することができる。

なお,「傷害が軽いとき」に当たるか否かは,加療期間のみではなく,傷害の種類,内容等も考慮し,社会通念によって決定されることになります。

(参考文献:「条解刑法 <第3版>」(編)前田雅英ほか,弘文堂,2013年)

関連記事:
> 過失致死罪と過失傷害罪
> 業務上過失致死傷罪と重過失致死傷罪

自動車運転過失致死傷罪とは

投稿者: 弁護士法人桑原法律事務所

2019.10.29更新

今回は,「業務上過失致死傷罪」と「重過失致死傷罪」について解説いたします。
> 前回記事: 過失致死罪と過失傷害罪

■ 業務上過失致死傷罪と重過失致死傷罪

仮に,業務性がある場合には業務上過失致死傷罪(刑法第211条第1項前段)が問題となり,過失の程度が重い場合には,重過失致死傷罪(刑法第211条第1項後段)が問題となります。

刑法第211条第1項
業務上必要な注意を怠り,よって人を死傷させた者は,5年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。重大な過失により人を死傷させた者も,同様とする。

業務性がある場合や,過失が重い場合には,格段に重い刑罰が課されることになります。

■「業務性」の意義

本条における業務とは,本来人が社会生活上の地位に基づき反復継続して行う行為であって,かつ,その行為は他人の生命身体等に危害を加えるおそれのあるものをいいます(最判昭和33年4月18日)

■「重過失」の意義

本条における重過失とは,一般的には,注意義務違反の程度が著しいことをいいます。


次回は,「自動車運転過失致死傷罪」について解説いたします。

業務上過失致死傷罪と重過失致死傷罪

投稿者: 弁護士法人桑原法律事務所

2019.10.28更新

今回は,「過失致死罪」と「過失傷害罪」について解説いたします。

■ 過失致死罪とは
刑法第210条
過失により人を死亡させた者は,50万円以下の罰金に処する。

刑法は,故意による犯罪を原則としており,過失の処罰は例外とされています(刑法38条1項)
本条における行為は,過失により人を死亡させることであり,故意により人を死亡させた場合は,殺人罪(刑法199条)となります。

■ 過失傷害罪とは

また,結果が傷害にとどまる場合には,過失傷害罪が成立します。

刑法第209条第1項
過失により人を傷害した者は,30万円以下の罰金又は科料に処する。
■ 「過失」について

過失致死罪(刑法第210条)と過失傷害罪(刑法第209条)における過失とは,業務上の過失,重過失,自動車運転上の過失に当たらない注意義務違反を意味します。
具体的な例としては,スポーツでの事故自転車と歩行者の事故などが挙げられます。


次回は,「業務上過失致死傷罪と重過失致死傷罪」について解説いたします。

過失致死罪と過失傷害罪

投稿者: 弁護士法人桑原法律事務所

2019.10.03更新

【 Q 】

5000円の現金を盗んで,捕まってしまいました。
被害金額の多い・少ないによって,起訴・不起訴されるかどうかが違ってくるのでしょうか。

【 A 】

起訴・不起訴については,検察官が判断することとなります(刑事訴訟法247条)
そして,検察官が,起訴・不起訴の判断を行う際には,「 犯人の性格年齢及び境遇犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況 」を考慮することとなっています(刑事訴訟法248条)

窃盗罪は,財産に対する罪ですので,被害金額の大きさは,当然犯罪の軽重に影響することとなりますので,検察官の判断に影響を及ぼすこととなります。

もっとも,被害金額だけの問題ではなく,どのように犯罪行為を行ったのか,常習性はあるのか,前科・前歴はあるのか,被害弁償はしているのか等の事情も検察官の判断に影響を及ぼすことになります。

窃盗の被害金額の多い・少ないによって起訴・不起訴が決まりますか?

投稿者: 弁護士法人桑原法律事務所

2019.10.01更新

【 Q 】

自転車を窃盗して逮捕されました。示談金はいくら必要でしょうか?

【 A 】

今回は,自転車の窃盗に関する相談です。

窃盗のような被害者が存在する罪の場合,被害者と示談できるかによって,その後の処分が左右される可能性があります。状況にもよりますが,被害者と示談ができれば,検察官が不起訴にする可能性が高くなるといえるでしょう。

■ 示談金はいくらになる?

それでは,示談金はいくらになるのでしょうか。

まず,被害者の自転車を盗んだのですから,自転車がまだ被疑者(加害者)の手元にある場合には,自転車をそのまま返却する必要があります。
自転車をそのまま返却した場合は,被害は回復されたことになります。被害者が返還されればよいと考えているのであれば,示談金は必要ありません。

他方で,高価な自転車であれば,盗んだ後に転売してしまっていることもあるでしょう。
そのような場合には,自転車の時価を算出し,時価を賠償することになります。たとえば,時価が10万円であれば,示談金として10万円を支払うことになるでしょう。

もっとも,被害者の感情を考えれば,新品の自転車の購入費用を負担して欲しい,という要望もありえます。
金額にもよりますが,示談を優先したい場合には,被害者の要求に応じることも考えられます。このような場合には,盗品である自転車の時価が10万円であっても,新品の代金が20万円であれば,20万円を示談金として支払うことになります。

■ まとめ

このように,示談金がいくらになるかは,自転車の価値被害者の要求などの事情によって異なりますので,一概にいくらという金額を算定することは困難です。

被害者と協議して示談金を決定するのが難しい場合には,早めに弁護士に依頼されることをお勧めします。

 

自転車窃盗について

 

 

投稿者: 弁護士法人桑原法律事務所

2019.09.30更新

前回記事: 窃盗事件の被害者と示談できなかったらどうなる?

■ 窃盗事件の被害者と示談する条件

被害者と示談をするためには,主として以下のような条件が必要になるでしょう。

① 被害者に謝罪をする
② 被害の弁償(回復)をする
③ 今後被害者と接触しないことを約束する
(万引きの場合は店舗に立ち入らないことを約束する)


① 被害者に謝罪をする

まず,被害者に対しては素直に罪を認めて,真摯に謝罪をすべきです。
身柄拘束されて直接謝罪ができない場合は,謝罪文反省文を作成して渡すことも有効です。

② 被害の弁償(回復)をする

盗んだ物を返す,盗んだ物と同程度の金額を支払うなどして,被害の回復を図ります。

③ 被害者と接触しないことを約束する
(万引きの場合は店舗に立ち入らないことを約束する)

被害者は,被疑者と関わりたくないと思うのが通常です。
コンビニやスーパーなどの店舗の場合は,再び窃盗をされてはたまらないので,二度と店舗に立ち入らないことを願うでしょう。

■ 弁護士の活動

上記①~③のような対応は,もちろん被疑者自身でも可能です。
しかし,被害者は,③のように被疑者と関わりたくないと考えるため,「被疑者と直接やりとりをしたくない」と思われる方も多いです。

そのような場合は,弁護士に依頼をして,被害者と示談の話をすることになります。そして,弁護士は,被害者に対して,被疑者を許してもらい,厳重な処罰を求めないようお願いするなどして,少しでも刑事処分が軽くなるような示談を目指します。

無事に被害者と示談ができた場合には,弁護士は,警察や検察に対して示談書を提出するとともに,意見書を提出するなどして,不起訴などの処分を求めることになります。

■ 示談ができなかった場合は

もっとも,示談ができなかった場合に,必ず重い刑事処分を受けるかというとそういうわけではありません。
示談ができなくても,示談に向けた努力をしたことを捜査機関に伝えることにより,処分が軽くなる可能性が高まります。

例えば,被害弁償を受け取ってもらえない場合には,法務局に供託をすることになりますし,示談の経緯(弁護士が被害者と連絡をとり,謝罪文を渡したこと,被害弁償や示談の申し出をしたこと等)や示談ができなかった理由を警察や検察に伝えることにより,示談に向けて努力したことを考慮するよう求めることになります。

■ さいごに

以上のとおり,示談ができなかった場合であっても,刑事処分が重くなるとは限りません。
そして,窃盗罪(万引き等)を犯した場合には,少しでも処分が軽くなるよう,早めに弁護士に依頼をすることをお勧めします。

 

窃盗事件の被害者と示談する条件

投稿者: 弁護士法人桑原法律事務所

2019.09.30更新

【 Q 】

窃盗事件を犯してしまいました。
被害者と示談できなかった場合,どうなってしまうのでしょうか。

【 A 】

今回は,窃盗罪を犯した方からの質問です。

■ 窃盗事件の被害者が望むこととは

まず,窃盗罪とは,他人の財物を窃取する犯罪です(刑法235条。刑罰は,10年以下の懲役または50万円以下の罰金です。)
したがって,窃盗罪の場合は,財物を盗まれた被害者がいるということになります。

窃盗に遭った被害者は,加害者(被疑者)に対し,盗まれた物を返してほしいと望むでしょう。
また,コンビニやスーパーで食品を万引きされた場合,盗まれた商品を販売するわけにはいかないので,被害者である店舗としては,被疑者が商品の代金を支払うことを望むでしょう。

さらに,被害者は,被疑者からの謝罪を望んだり,二度と店舗に立ち入らないように望んだりするかもしれません。

■ 窃盗罪が発覚するケース

被害者はこのような思いを抱きながら,警察に被害届を出すなどして,事件の解決を目指すことになります。
窃盗罪が発覚するケースとしては,このように,被害者が被害にあったことに気づき,警察に被害届を出すというケースが多いと思われます。

そして,捜査の結果,被疑者が発覚した場合,警察は,被疑者を逮捕したり任意に取調べをするなどして,被疑事実について捜査をすることになります。

■ 窃盗事件の被害者と示談できない場合はどうなる?

それでは,被疑者が被害者と示談ができない場合,被疑者はどうなってしまうでしょうか?

事案の内容や前科の有無などにもよりますが,示談ができた場合と比較すると,起訴され,前科がつく可能性はかなり高まるでしょう。

したがって,できる限り示談ができるよう努力すべきです。


> 次回記事では,「窃盗事件の被害者と示談する条件と弁護士の活動」について解説します。

 

 窃盗事件の被害者と示談できなかったら

投稿者: 弁護士法人桑原法律事務所

2019.08.01更新

【 Q 】

「処分保留」とは何ですか?

【 A 】

処分保留とは,処分が留保されることを言います。
ここでの処分とは,検察官の起訴不起訴の処分のことを指します。

処分保留という言葉が使われる典型的な例は,「勾留満期日に処分保留で釈放される。」というものです。
勾留満期日を経過すると,被疑者の身体拘束の法的根拠が失われます。

ただし,検察官が被疑者を起訴すると,被疑者は被告人となり,起訴後の勾留ということで身体拘束が継続されることとなる可能性があります。
なお,被疑者の段階で身体拘束を受けたまま起訴がなされると,多くの場合,そのまま被告人段階でも身体拘束され続けることとなります。
以上のとおり,起訴された場合には,身体拘束が継続されることとなる可能性があります。

一方で,勾留満期日において,検察官が,未だ起訴・不起訴を決定できない場合があります。そのような場合には,勾留満期日の経過により,被疑者の身体拘束の法的根拠を失いますので,検察官は,起訴・不起訴の処分を保留したうえで,被疑者を釈放することになります。
これが,処分保留釈放です。

処分保留とは

投稿者: 弁護士法人桑原法律事務所

2019.07.05更新

【 Q 】

下着泥棒を犯してしまいました。
被害者と示談したいのですが,弁護士に依頼したほうがよいでしょうか。

【 A 】

下着泥棒は,窃盗罪に該当します。

もっとも,窃盗罪は財産に対する罪ですが,下着泥棒となると,性犯罪の側面があります。

一般的に性犯罪の場合,被害者が加害者と直接交渉することを拒絶することが多いと思われます。このような場合に,弁護士を代理人とすることにより,被害者が示談交渉に応じることがあります。

下着泥棒についても,前述のとおり,性犯罪の側面がありますので,本人が被害者と直接交渉することは難しいと思われますが,弁護士を代理人とすることで被害者が示談交渉に応じることがあります。

ですので,被害者との示談を目指すのであれば,弁護士に依頼した方がよいと思われます。

 刑事弁護

投稿者: 弁護士法人桑原法律事務所

2019.07.04更新

今回は,盗撮(迷惑防止条例違反)で逮捕された場合の,被害者との示談について解説いたします。

前回記事:
盗撮(迷惑防止条例違反)について
盗撮(迷惑防止条例違反)の罰則


それでは,【 盗撮行為中に被害者等が盗撮を発見して被疑者(加害者)を確保し,警察に通報したところ,逮捕された場合 】について考えてみましょう。

■ 早期の身柄解放を目指すなら

逮捕後,釈放される場合もありますが,勾留される可能性もあります。勾留された場合は,最大で20日間身柄を拘束されることになります。

まず,早期の身柄解放を目指すのであれば,弁護士に依頼をすべきでしょう。

盗撮の場合は被害者がいますので,被害者と早期に示談をし,身柄の解放を目指すことになります。
被害者の中には,被疑者や被疑者の家族とは話をしたくないという方も多いですが,弁護士と話をしたくないという方は比較的少ないと思われます。

被害者と早期に示談ができれば,身柄が解放される可能性が高まります。

■ 身柄拘束されない場合でも


仮に,身柄拘束されなかったとしても,被疑者には被害者の連絡先を教えない場合も多く,このような場合には示談をするのが困難なので,弁護士に依頼すべきでしょう。

弁護士は被害者の連絡先を捜査機関から入手し,示談交渉をすることになります。

■ 示談金額の相場は?示談の条件は?


示談金については,事件の内容や被害者の考え,被疑者の資力等により金額が変わりますが,数十万円が相場であると考えられているようです。

また,示談する際には,盗撮画像の破棄接触禁止口外禁止の条項を盛り込むことが多いでしょう。
被害者の感情に配慮しながら,被害者が納得する示談の内容を提案し,示談をすることになります。

■ 被害者との示談が成立したら


被害者との示談ができれば,初犯の場合,不起訴になる可能性が非常に高くなります。

もっとも,被害者と示談するだけでは不十分な場合には,身元引受人を確保したり,被疑者の生活状況や更生に向けた努力(通勤の際の犯行であれば通勤手段として電車を利用しない等)を主張したりして,不起訴にするよう検察官に求めることになります。

盗撮で逮捕されたら

■ さいごに


このように,迷惑防止条例違反の場合には,被害者と示談ができるか否かがポイントになりますが,被害者は被疑者と接触を拒む傾向が強く,示談の話をすることすら難しいことが多いです。

迷惑防止条例違反で逮捕されたら,早めに弁護士に依頼をすることをおすすめします。

 

投稿者: 弁護士法人桑原法律事務所

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