参考人と重要参考人の違いはなんですか?
参考人とは
「参考人」とは,犯罪捜査の過程で捜査機関に取調べを受ける,被疑者以外の者をいいます。事件について参考になりうる情報や専門知識をもっている人物がこれにあたり,目撃者や専門家が代表的です。なお,刑事訴訟法223条に,捜査機関は,これらの者の取調べをすることができると規定されています。
重要参考人とは
「重要参考人」とは,参考人のうち,犯罪の嫌疑が濃いと捜査機関が考えている者をいいます。
重要参考人と被疑者との違い
そうすると,重要参考人と被疑者との違いがあいまいになってきますが,この点については,以下のように考えられています。
東京高等裁判所昭和49年10月2日判決によれば,
「単に捜査官が主観的に嫌疑を抱いて取調べをしたというだけでは足らず,捜査官が,犯人としてその者の刑事責任の存否を決めるための手続きを開始したと客観的に認められる時から被疑者となる」
とされています。
「単に捜査官が主観的に嫌疑を抱いて取調べをしたというだけでは足らず,捜査官が,犯人としてその者の刑事責任の存否を決めるための手続きを開始したと客観的に認められる時から被疑者となる」
とされています。
つまり,犯人としてその者の刑事責任を追及するための取調べが開始される前まではあくまで「重要参考人」であり,開始後に「被疑者」と呼ばれるようになります。