自転車を窃盗して逮捕された場合の示談金について
今回は,自転車の窃盗に関する相談です。
窃盗のような被害者が存在する罪の場合,被害者と示談できるかによって,その後の処分が左右される可能性があります。状況にもよりますが,被害者と示談ができれば,検察官が不起訴にする可能性が高くなるといえるでしょう。
示談金はいくらになる?
それでは,示談金はいくらになるのでしょうか。
まず,被害者の自転車を盗んだのですから,自転車がまだ被疑者(加害者)の手元にある場合には,自転車をそのまま返却する必要があります。自転車をそのまま返却した場合は,被害は回復されたことになります。被害者が,「返還されればよい」と考えているのであれば,示談金は必要ありません。
高価な自転車であれば,時価を賠償する
他方で,高価な自転車であれば,盗んだ後に転売してしまっていることもあるでしょう。そのような場合には,自転車の時価を算出し,時価を賠償することになります。たとえば,時価が10万円であれば,示談金として10万円を支払うことになるでしょう。
もっとも,被害者の感情を考えれば,「新品の自転車の購入費用を負担してほしい」という要望もありえます。金額にもよりますが,示談を優先したい場合には,被害者の要求に応じることも考えられます。このような場合には,盗品である自転車の時価が10万円であっても,新品の代金が20万円であれば,20万円を示談金として支払うことになります。
まとめ
このように,示談金がいくらになるかは,自転車の価値や被害者の要求などの事情によって異なりますので,一概にいくらという金額を算定することは困難です。
被害者と協議して示談金を決定するのが難しい場合には,早めに弁護士に依頼されることをおすすめします。