今回は,盗撮(迷惑防止条例違反)で逮捕された場合の,被害者との示談について解説いたします。
前回記事:
盗撮(迷惑防止条例違反)について
盗撮(迷惑防止条例違反)の罰則
それでは,【 盗撮行為中に被害者等が盗撮を発見して被疑者(加害者)を確保し,警察に通報したところ,逮捕された場合 】について考えてみましょう。
逮捕後,釈放される場合もありますが,勾留される可能性もあります。勾留された場合は,最大で20日間身柄を拘束されることになります。
まず,早期の身柄解放を目指すのであれば,弁護士に依頼をすべきでしょう。
盗撮の場合は被害者がいますので,被害者と早期に示談をし,身柄の解放を目指すことになります。
被害者の中には,被疑者や被疑者の家族とは話をしたくないという方も多いですが,弁護士と話をしたくないという方は比較的少ないと思われます。
被害者と早期に示談ができれば,身柄が解放される可能性が高まります。
仮に,身柄拘束されなかったとしても,被疑者には被害者の連絡先を教えない場合も多く,このような場合には示談をするのが困難なので,弁護士に依頼すべきでしょう。
弁護士は被害者の連絡先を捜査機関から入手し,示談交渉をすることになります。
示談金については,事件の内容や被害者の考え,被疑者の資力等により金額が変わりますが,数十万円が相場であると考えられているようです。
また,示談する際には,盗撮画像の破棄,接触禁止,口外禁止の条項を盛り込むことが多いでしょう。
被害者の感情に配慮しながら,被害者が納得する示談の内容を提案し,示談をすることになります。
被害者との示談ができれば,初犯の場合,不起訴になる可能性が非常に高くなります。
もっとも,被害者と示談するだけでは不十分な場合には,身元引受人を確保したり,被疑者の生活状況や更生に向けた努力(通勤の際の犯行であれば通勤手段として電車を利用しない等)を主張したりして,不起訴にするよう検察官に求めることになります。
このように,迷惑防止条例違反の場合には,被害者と示談ができるか否かがポイントになりますが,被害者は被疑者と接触を拒む傾向が強く,示談の話をすることすら難しいことが多いです。
迷惑防止条例違反で逮捕されたら,早めに弁護士に依頼をすることをおすすめします。