盗撮の証拠は,どのようなものがあるでしょうか。
まず,盗撮した写真や動画が考えられます。
盗撮した写真や動画に,被害者が写っていた場合,重要な証拠となります。その人が盗撮していたのでなければ,被害者が写っている写真や動画が保存されていることは考え難いためです。
次に防犯カメラの映像が考えられます。
防犯カメラに,被疑者が被害者の後ろをつけ回していた映像や,被疑者がスマートフォンや携帯電話等の録画機器を被害者に差し入れている映像があれば,重要な証拠となりえます。
また,被害者や目撃者の証言も考えられます。
被害者や目撃者が法廷で虚偽の証言をした場合,偽証罪に問われる可能性があるので,利害関係のない被害者や目撃者が虚偽の証言をする可能性は低いと考えられています。そのため,被害者や目撃者の証言は信用性が高く,重要な証拠となる可能性が高いと考えられます。
もっとも,人によるものなので,見間違い,記憶違い,言い間違いなどの可能性はあり得るかと思われます。
客観的な証拠との整合性も問題となりますので,①,②に比べれば,重要性は低いと考えられるかと思います。
被疑者本人の供述も考えられます。
被疑者本人が盗撮を行ったと述べた場合には,その供述も証拠となります。
もっとも,刑事訴訟法の規定には,被疑者の自白のみでは有罪とすることはできないとの規定がありますので,捜査機関は被疑者の自白以外にも証拠の取得を行うことになります。
上記の証拠がある場合,必ず起訴されることになるのでしょうか。
検察官は,起訴するかどうかを決定する権限を有しています。起訴をすれば有罪であることが確実な場合であっても,起訴しないとの判断をすることもできます。
起訴しないとの判断をされるには,被害者と示談を交わせているのかという事情も大きな考慮要素となります。
一般的に,盗撮事件の被害者の方は,被疑者との直接交渉を望まないことが多いですが,そのような被害者の方でも,弁護士との交渉であれば応じてもらえることがあります。
したがって,盗撮事件で不起訴を目指すのであれば,弁護士に,被害者との示談交渉を依頼されることをおすすめいたします。
当事務所は,刑事事件を数多く扱っており,被害者との交渉についても経験が豊富ですので,ご相談いただければと思います。