刑事事件の基礎知識

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2018.01.09更新

今回は、③現行犯逮捕についてみていきます。

①通常逮捕についての解説はこちら
②緊急逮捕についての解説はこちら

前述のとおり、現行犯逮捕の場合は、令状の発布を受ける必要がありません(憲法33条)
裁判官の令状審査がないのであれば、不当に人権が制約されるのではないか?そのような疑問を抱かれる方もおられるかもしれません。

まずは現行犯逮捕を規定した刑事訴訟法212条以下をみていきましょう。

刑事訴訟法212条1項
現に罪を行い、又は現に罪を行い終わった者を現行犯人とする。

 まず、「現行犯人」には、現に罪を行っている者が該当します。

よく報道されるケースとしては、職務質問中に覚せい剤を所持していることが発覚したとか、バイクで暴走行為を行ったなどがあると思います。

次に、犯罪を行い終わった者も現行犯人とされています。
バイクで暴走行為を行い、追跡後、暴走行為を終えてから逮捕するなどもこのような場合にあたると思われます。

 

刑事訴訟法212条2項
左の各号の一にあたる者が、罪を行い終わってから間がないと明らかに認められるときは、これを現行犯人とみなす。

1号
犯人として追呼されているとき

これは、「泥棒だ!」などと言われながら追われている場合をいいます。

2号
贓物又は明らかに犯罪の用に供したと思われる兇器その他の物を所持しているとき

万引きした店の品物を持っていたり、血の付いたナイフを持っていたりするような場合をいいます。

3号
身体又は被服に犯罪の顕著な証跡があるとき

ナイフで刺した犯人の服に被害者の返り血が付いているような場合をいいます。

4号
誰何されて逃走しようとするとき

夜間、警察に、「何をされているんですか?」などと言われ、何も言わずに逃げ出したような場合をいいます。

 


以上のとおり、1号から4号までのいずれかに該当し、かつ、罪を行い終わってから間がないと明らかに認められるときに、現行犯人とみなされます。

このように、現行犯逮捕は、逮捕の理由及び必要性がある場合に限定されているといえます。
したがって、逮捕をしても不当に人権を制約するおそれはないため、逮捕が許されているのです。

投稿者: 弁護士法人桑原法律事務所

2018.01.09更新

今回は、②緊急逮捕についてみていきます。

①通常逮捕についての解説はこちら
③現行犯逮捕についての解説はこちら

前述のとおり、緊急逮捕の場合は、逮捕後に、令状の発布を受ければ足ります。

刑事訴訟法210条1項
検察官、検察事務官又は司法警察職員は、死刑又は無期若しくは長期3年以上の懲役若しくは禁錮にあたる罪を犯したことを疑うに足りる充分な理由がある場合で、急速を要し、裁判官の逮捕状を求めることができないときは、その理由を告げて被疑者を逮捕することができる。この場合には、直ちに裁判官の逮捕状を求める手続をしなければならない。逮捕状が発せられないときは、直ちに被疑者を釈放しなければならない。

 

緊急逮捕は、①通常逮捕と比較すると、「死刑又は無期若しくは長期3年以上の懲役若しくは禁錮にあたる罪」という重大な犯罪に限定されています。
重大な犯罪の例としては、殺人罪(死刑又は無期若しくは5年以上の懲役)、強盗罪(5年以上の懲役)などです。

重大な罪を犯した疑いが強いが、今すぐ被疑者の身体を拘束しないと逃亡されるかもしれないという状況では、事前に裁判官の令状の発布を受ける余裕はありません。
このような場合に、逮捕できるようにしたのが緊急逮捕です。

もっとも、事後的に裁判官から令状の発布を受ける必要がありますので、不当な人権の制約を防止することができるようになっています。


では、緊急逮捕の要件を確認しましょう。

① 重大な犯罪であること
② 重大な罪を犯したと疑うに足りる充分な理由があること
③ 緊急に逮捕する必要性があること

です。

投稿者: 弁護士法人桑原法律事務所

2018.01.09更新

逮捕の手続きは、大きく3つに分けられます。

通常逮捕緊急逮捕現行犯逮捕、です。

①通常逮捕 及び ②緊急逮捕については令状が必要ですが、③現行犯逮捕の場合は令状が不要です(憲法33条)

憲法33条
何人も、現行犯として逮捕される場合を除いては、権限を有する司法官憲が発し、且つ理由となっている犯罪を明示する令状によらなければ、逮捕されない。

また、①通常逮捕については、逮捕前に裁判官から令状の発布を受ける必要があるのに対し(刑事訴訟法199条1項)、②緊急逮捕については、逮捕後に令状の発布を受ければ足ります(刑事訴訟法210条1項)


■通常逮捕について

では、①通常逮捕についてみていきます。

前述のとおり、通常逮捕を行う前には、逮捕前に、令状の発布を受ける必要があります。

刑事訴訟法199条1項本文
検察官、検察事務官又は司法警察職員は、被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があるときは、裁判官のあらかじめ発する令状により、これを逮捕することができる。

逮捕状により被疑者を逮捕する場合は、逮捕状を被疑者に示さなければなりません(刑事訴訟法201条1項)

 

そして、逮捕の要件は、(A)逮捕の理由と(B)逮捕の必要性です。

刑事訴訟規則143条
逮捕状を請求するには、逮捕の理由(逮捕の必要を除く逮捕状発布の要件をいう。以下同じ。)及び逮捕の必要があることを認めるべき資料を提供しなければならない。

(A)逮捕の理由とは、罪を犯したと疑うに足りる相当な理由があることをいいます。
(B)逮捕の必要性とは、逃亡又は罪証隠滅のおそれがあることです。

これら逮捕の要件についての判断は、令状を発布する裁判官が行います。
裁判官が判断を行うことにより、不当な人権の制約を防止するためです。

 

投稿者: 弁護士法人桑原法律事務所

2018.01.09更新

逮捕とは、被疑者の身柄を強制的に拘束する処分であり、その後の短時間の拘束(留置)を伴うものです。

逮捕の瞬間は、よくテレビなどでも放送されるため、比較的イメージを持ちやすいと思います。
一般的には、手錠をかけられ、その後、警察署に連れて行かれて、留置場で過ごすという流れが多いでしょう。


■逮捕後、留置されるのはいつまで?

では、逮捕後、留置されるのはいつまでなのでしょうか?

司法警察員は、逮捕の時から48時間以内に、被疑者の身柄を検察官に送致しなければなりません(刑事訴訟法203条1項参照)
そして、送致を受けた検察官は、身柄を受けた時から24時間以内に裁判官に被疑者の勾留を請求しなければなりませんが(刑事訴訟法205条1項)、この期間は、逮捕の時から合算して72時間を超えることはできません(刑事訴訟法205条2項)

すなわち、留置は逮捕の時から72時間となります。
もっとも、一般的には、逮捕後、48時間以内に勾留請求までされるケースが多いと思われます。

 

■なぜ逮捕が行われるのか

では、そもそも、なぜ逮捕が行われるのでしょうか?

捜査機関が被疑者を逮捕するのは、逃亡と罪証隠滅を防ぐためです。

逮捕は、被疑者の身柄を強制的に拘束するものであるため、重大な人権の制約であるといえます。
それでも逮捕するのですから、逃亡と罪証隠滅を防ぐためにどうしても逮捕しなければならないという状況でない限り、逮捕は許されるべきではありません。
逮捕の理由及び必要性は、慎重に吟味されるべきといえますし、弁護側からすれば、不当な逮捕については、いかなる理由で不当であるのかを捜査機関に訴え、被疑者の釈放を求めることになります。

不当な逮捕を防ぐためには、逮捕後、一刻も早く弁護士に相談すべきといえるでしょう。

 

投稿者: 弁護士法人桑原法律事務所

2018.01.09更新

身柄拘束を受けている被疑者・被告人には,接見交通権が認められています。

刑事訴訟法39条1項
身体の拘束を受けている被告人又は被疑者は、弁護人又は弁護人を選任することができる者の依頼により弁護人となろうとする者(弁護士でない者にあつては、第31条第2項の許可があつた後に限る。)と立会人なくして接見し、又は書類若しくは物の授受をすることができる。

 

憲法34条は,弁護人依頼権を保障していますが,弁護人に依頼をするためには,被疑者・被告人が弁護人と直接会って話をできなければなりません。

したがって,弁護人との接見交通権は,弁護人依頼権を実質的に保障するものであり,刑事手続上最も重要な基本的権利に属するものとされています。

弁護人側からみても,接見交通権が侵害されてしまうと,被疑者に対して適切な弁護活動を行うことができないことから,被疑者・被告人のみならず,弁護人にとっても極めて重要な権利なのです。

もっとも,被疑者が捜査の立会いのため事件現場に外出しているなど,接見できない場合もあります。
弁護人としては,緊急に接見を希望しても,実際にはできないケースもありますので,事前に留置施設に確認が必要ですし,留置施設が遠方の場合もありますので,接見はスケジュールを調整しながら計画的に行う必要があります。

投稿者: 弁護士法人桑原法律事務所

2018.01.09更新

被疑者・被告人には、弁護人依頼権が認められています。

刑事訴訟法30条1項
被告人又は被疑者は、何時でも弁護人を選任することができる。

 

憲法上、弁護人依頼権が認められているのは、刑事被告人のみですが(憲法37条3項)、刑事訴訟法により、被疑者にも弁護人依頼権が認められています。

被疑者・被告人は、検察官から捜査を受けたり、起訴されたりする立場にありますが、強大な権限を有する検察官に対して、法律の素人である被疑者・被告人は、一般的に弱い立場にあります。
そこで、被疑者・被告人が弁護人に依頼し、その補助を受けることにより、検察官と対等な立場に立たせ、不当な人権侵害を防ぐ必要があるのです。

そのための権利が、弁護人依頼権です。

 

■弁護人の活動について

弁護人は、被疑者・被告人と接見し、黙秘権等の権利が保障されていることを伝え、身柄拘束に対する不服を申し立て、公判で意見を述べるなどの活動を行います。

また、弁護人は、被疑者・被告人の生活環境を整え、勤務先を確保するなど、被疑者・被告人の更生に向けた活動も行います。

被疑者・被告人にとって、弁護人を選任することには、非常に大きなメリットがあるのです。

投稿者: 弁護士法人桑原法律事務所

2018.01.09更新

被疑者・被告人の権利として、黙秘権(供述拒否権)があります。

憲法38条1項は、「何人も、自己に不利益な供述を強要されない」と定めており、刑事訴訟法311条1項は、「被告人は、終始沈黙し、又は個々の質問に対し、供述を拒むことができる」と定めています。
被疑者については、黙秘権を認める明文の規定はありませんが、被告人と同様に、黙秘権が認められていると解されています(刑事訴訟法198条2項)。

刑事訴訟法198条(1項2項のみ抜粋)
1項)検察官、検察事務官又は司法警察職員は、犯罪の捜査をするについて必要があるときは、被疑者の出頭を求め、これを取り調べることができる。但し、被疑者は、逮捕又は勾留されている場合を除いては、出頭を拒み、又は出頭後、何時でも退去することができる。
2項)前項の取調に際しては、被疑者に対し、あらかじめ、自己の意思に反して供述をする必要がない旨を告げなければならない。

 

黙秘権は、被疑者・被告人が、自己の意思に反して自白をさせられ、不当な処罰がなされたりすることのないよう、認められたものです。

もっとも、実際の取調べでは、捜査官が被疑者を怒鳴りつけて脅し、自白させようとすることは少なくありません。

このような場合、弁護人としては抗議文を送付するなどして、黙秘権が侵害されることのないよう、働きかけをすることになります。

投稿者: 弁護士法人桑原法律事務所

2018.01.09更新

被疑者・被告人の権利として、黙秘権(供述拒否権)があります。

憲法38条1項は、「何人も、自己に不利益な供述を強要されない」と定めており、刑事訴訟法311条1項は、「被告人は、終始沈黙し、又は個々の質問に対し、供述を拒むことができる」と定めています。
被疑者については、黙秘権を認める明文の規定はありませんが、被告人と同様に、黙秘権が認められていると解されています(刑事訴訟法198条2項)。

刑事訴訟法198条(1項2項のみ抜粋)
1項)検察官、検察事務官又は司法警察職員は、犯罪の捜査をするについて必要があるときは、被疑者の出頭を求め、これを取り調べることができる。但し、被疑者は、逮捕又は勾留されている場合を除いては、出頭を拒み、又は出頭後、何時でも退去することができる。
2項)前項の取調に際しては、被疑者に対し、あらかじめ、自己の意思に反して供述をする必要がない旨を告げなければならない。

 

黙秘権は、被疑者・被告人が、自己の意思に反して自白をさせられ、不当な処罰がなされたりすることのないよう、認められたものです。

もっとも、実際の取調べでは、捜査官が被疑者を怒鳴りつけて脅し、自白させようとすることは少なくありません。

このような場合、弁護人としては抗議文を送付するなどして、黙秘権が侵害されることのないよう、働きかけをすることになります。

投稿者: 弁護士法人桑原法律事務所

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