刑事事件コラム

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2021.12.21更新

この記事では,家族や身内が逮捕された場合の対応について弁護士が解説いたします。

事例として,【 成年である息子さんがスーパーで万引き(窃盗)をして,その後,逮捕されたというケース 】を考えてみましょう。

家族が逮捕された後の流れ

まず,逮捕された場合,通常は,逮捕された現場を管轄する警察署に連れて行かれ,その警察署でしばらく過ごすことになります。

警察は,逮捕されたときから48時間以内に,逮捕された被疑者(息子)を検察官に送致しなければいけません。そして,検察官は,被疑者の身柄を受け取った時から24時間以内に,勾留するか否かを決めて,裁判所に勾留の請求をすることになります。

すなわち,逮捕後の被疑者の留置期間は,最大で72時間ということになります。

家族への連絡

逮捕後,警察から被疑者の家族に対し,「どんな罪で逮捕され,どこの警察署にいる」という報告がなされることが多いようです。したがって,息子さんのご両親は,警察からの連絡で,息子が万引きで逮捕されたことを知ることになります。

ご両親としては,一刻も早く息子から事情を聴きたいと考えるでしょう。しかし,留置されている間は,息子と会うことはできません。息子と会うことができるのは,弁護士のみです。

逮捕直後の段階では,まずは弁護士に相談をしていただき,息子さんから事情を聴くよう依頼していただくことが望ましいでしょう。

弁護士の対応

弁護士は,依頼を受けた場合,息子さんが留置されている警察署に行って息子さんと会い(「接見」といいます),事件等について詳しい事情を聴きます。そして,今後の手続の流れや黙秘権などについて説明をします。そのほか,「何か緊急に対応すべきことはないか」「両親に伝えるべきことはないか」などについても聴き取りをします。お仕事をされている方の場合は,「職場にどのように説明すべきか」などの相談をされる方も多いです。

そして,弁護士は,息子さんから聴いた話をご両親にお伝えすることになります。逮捕後,ご家族の方は大きな不安を抱えられることになりますが,早期に事情を詳しく知ることによって,落ち着かれる方は非常に多いと思われます。

家族が逮捕後,勾留された場合

ここでは,ご家族が逮捕後,勾留された場合について解説いたします。

勾留期間

逮捕から72時間以内に検察官が勾留請求をし,裁判所が勾留を決定した場合,原則として10日間,最大で20日間,勾留されることになります。
勾留後に,身柄が拘置所などに移される場合もあるので,注意が必要です。

勾留期間中の面会

勾留期間中は,逮捕後の留置期間中とは異なり,ご両親も息子さんと面会することができます。しかし,ご両親の面会の場合には,弁護士と異なり,大きな制限があります。

例えば,博多署の場合,平日の午前10時~11時,午後2時~4時,1日1回,15分以内,という制限があります(平成30年10月5日現在)。このような制限は,警察署ごとに異なりますので,あらかじめ警察署に確認する必要があります。このような制限があると,息子さんといろいろな話をすることが非常に難しくなります。

弁護士に依頼するメリット

他方,弁護士には面会の制限はありません。土日祝日でも,午後11時でも,いつでも面会ができます。
そこで,事件対応に関する聴き取りは弁護士に任せていただき,ご両親には,息子さんを安心させ,生活面でのサポート(差し入れなど)に関する聴き取りを行ってもらうなど,役割を分担することが望ましいでしょう。

なお,差し入れについても,差し入れできる日,時間,物は限られていますので,事前に警察署に確認しましょう。
例えば,博多署の場合,平日の午前10時~11時,午後2時~4時という日時の制限があるほか,現金は2万円まで,衣類はひもがついていないもの,シャンプー,化粧品は不可など,差し入れ物についても制限があります(平成30年10月5日現在)

家族や身内が逮捕された場合の、被害者との示談

被害者に謝罪や被害弁償をする

息子さんが万引きの事実を認めている場合には,万引きの被害者であるスーパーに対し,謝罪や被害弁償をして,示談をすることが重要になります。謝罪や被害弁償をすることで,スーパー側から許してもらい,厳しい処罰までは求めないということになれば,起訴されない可能性が出てくるためです。

示談対応は誰がする?

しかし,ご本人は身柄を拘束されていますので,そのような対応は困難です。そこで,ご両親に被害弁償金をご用意いただくとともに,弁護士とともに直接店舗に赴いて,一緒に謝罪をしていただくことがあります。

このような対応をしていただくことで,被疑者である息子さんのために,どのような対応をご両親がされたのか,捜査機関側にも報告することができます。ご両親が被疑者のために熱心に動かれたという事実から,検察官が,「このご両親なら息子さんを見捨てることなく,更生のために協力してくれるのではないか」と考えることもあると思われます。

ご家族の協力が不可欠

このように,ご家族の一人が逮捕勾留された場合には,その他のご家族の協力が不可欠となります。

特に,実際に被疑者が万引きをしてしまった場合には,原因は何なのか,今後どのように更生していくのか,更生のためにご家族がどのように被疑者を支えていくべきなのか,しっかり考える必要があります。

本人以外の家族が弁護士に依頼できる?

当事者ではない家族が,弁護を依頼することはできるのか?についてもご説明いたします。

弁護人を選任できる者は法律で定められている

刑事事件に関し,弁護人を選任できる者について,法律では以下のように定められています。

刑事訴訟法
第三十条 被告人又は被疑者は、何時でも弁護人を選任することができる。
2 被告人又は被疑者の法定代理人、保佐人、配偶者直系の親族及び兄弟姉妹は、独立して弁護人を選任することができる。

もっとも,ご家族からの要請を受け,被疑者ないし被告人本人と弁護士が接見し,被疑者ないし被告人本人から弁護人に選任してもらうのが一般的ではないかと思われます。

さいごに

弁護士が力になれるのは,被疑者ご本人やそのご家族にとって,ほんの一部分にすぎません。
本当に重要なのは,事件が解決した後,被疑者がどのように更生するかということであることを,ご理解いただけたらと思います。

早期に弁護士に依頼するメリットとしては,早い段階で事情を把握することにより,早めの対策が打てることのほかに,精神的な安定にもつながるといえます。
なによりも,逮捕された被疑者にとって,早期の弁護士面会が非常に大きなメリットをもたらすことは言うまでもありません。

投稿者: 弁護士法人桑原法律事務所

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