当事務所が刑事弁護においてもっとも重視していることの一つに,被疑者(被告人)の更生があります。
犯罪を行った被疑者が,今後,二度と犯罪を行わないようにすることは,刑事弁護活動においても非常に重要であると考えています。なぜなら,被疑者が犯罪を行わなければ,新たな被害者が生まれることもなく,平和な社会を築けることになるからです。
しかし,盗撮を含む性犯罪は,再び犯罪を行う可能性が高いことが特徴だと言われています。それはなぜでしょうか?
再び盗撮を犯してしまう理由
① ストレス発散
現代社会では,社会生活上,様々なストレスを受ける場合があります。職場や学校など,家庭の外だけではなく,家庭内でもストレスを受ける人は多いと言われています。
性犯罪者は,このような様々なストレスの発散として,盗撮を行う場合があるようです。そのようなケースでは,ストレスを受け続ける限り,盗撮を繰り返してしまう可能性があります。
② スリルや成功体験
他人から見つからないように盗撮を行うこと自体にスリルを感じ,成功することによって,また味わいたいと思ってしまう。このような心理状態を有する性犯罪者もいるようです。
③ 精神疾患
何度逮捕され,刑罰を受けても,また盗撮を繰り返す。そのような場合は,精神疾患である可能性もあります。様々な依存症と同様に,本人や家族など周囲の方々だけでは,立ち直ることが難しいと思われます。
再び盗撮を行わないために
それでは,再び盗撮を行わないためには,どうすればよいのでしょうか?
カウンセリング
専門医や臨床心理士とカウンセリングを行い,自身の悩みを素直に打ち明ける等して,認知や思考の改善をします。また,被疑者のご家族についてもカウンセリングを受けたほうがよい場合がありますので,一度ご相談されたほうがよいでしょう。
自助グループ
自助グループでは,グループミーティングを行い,同じような境遇にある他人の話を聞き,自身の考えや経験を話すことにより,自身の誤った認識を正し,被害者の心情を理解することにつながります。
グループミーティング以外の手法によっても認知の歪みが治せるよう、様々なプログラムが提供されます。
治療
盗撮が精神疾患によるものである場合には,専門の治療機関で治療を受けることにより,誤った認知を正し,改善する必要があります。治療機関では,薬物療法も行われる場合があります。
さいごに ―弁護士の活動―
弁護士は,上記の治療等の行為はできません。しかし,単に刑事弁護を行うだけではなく,更生に向けた活動の手助けをすることは可能です。
更生を目指す方は,早めに弁護士にご相談いただくことをおすすめします。