刑事事件の基礎知識

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2018.04.10更新

前回は、証拠調手続について解説いたしました。

今回は、証拠調べに続く手続「論告、弁論」について説明いたします。


■論告、弁論とは

証拠調手続が終わると、論告、弁論が行われます。
論告、弁論とは、その事件の事実及び法律の適用について、検察官、弁護人の意見を述べることをいいます。

■論告、弁論の流れ

まず、検察官論告及び求刑を行います。

引き続いて、弁護人が、弁論を行います。

そして、被告人による最終陳述が行われます。
事件について、裁判官に伝えておきたいことを話せる最後の機会となります。

これにより、審理手続が終了します。
このことを弁論の終結又は結審といいます。

■判決宣告手続

そして、判決の宣告手続となります。
証言台の前に起立し、判決の読み上げを聞くことになります。

保釈中で実刑判決が下された場合、その場で収容されることになりますので、念のため、着替え等の準備を行っていた方が安心です。

 

第一審の手続はこのように進んでいくことになります。
判決に不服がある場合には、控訴を行い、控訴審で争うことになります。

 

投稿者: 弁護士法人桑原法律事務所

2018.04.10更新

今回は、証拠調手続について説明いたします。

>>前回記事: 刑事裁判の流れ(1) ~冒頭手続~


■検察官の冒頭陳述

まず、検察官が冒頭陳述を行います。
冒頭陳述とは、検察官がその刑事裁判で証拠により立証しようとする事実の概要を裁判所に説明するものです。


■被告人側の冒頭陳述

検察官の冒頭陳述の後に、被告人側も冒頭陳述を行うことが可能です。必ず行わなければならないものではありません。
もっとも、公判前整理手続を経た場合には、被告人側は冒頭陳述を行わなければなりません。そのうえで、被告人側の冒頭陳述後、公判前整理手続の結果が顕出されます。


■検察官による証拠調請求

続いて検察官からの証拠調請求がなされます。
多くの場合、「証拠等関係カード記載の各証拠の取調べを求める。」という内容で請求されることが多いです。

検察官の証拠調請求に対して、弁護人の意見を聞かれます。
弁護人は、事前に被告人と協議した結果の意見を述べます。

弁護人が同意した書証や取調べに異議を述べなかった物証については、そのまま取り調べられることになります。


■弁護人による証拠調請求

その後、弁護人による証拠調請求となります。
弁護人の証拠調請求に対し、検察官が意見を聞かれます。
検察官、弁護人から証人の請求があった場合には、証人尋問が行われます。


■被告人質問

そして、その後、被告人質問が行われます。

 

証拠調べはこのように進んでいきます。
証拠調手続が終わると、論告、弁論へと進んでいきます。

 

>>次回は、論告、弁論について解説いたします。

 

投稿者: 弁護士法人桑原法律事務所

2018.04.10更新

前回は保釈とは何かについて説明しました。

今回は、実際に保釈を請求する方法について解説いたします。

 

保釈の請求権者は、勾留されている被告人又はその弁護人法定代理人保佐人配偶者直系の親族若しくは兄弟姉妹です(刑事訴訟法88条1項)

保釈請求は、実務上は書面によってなされますが、口頭でも可能です(刑事訴訟規則296条)

 

■権利保釈を請求する場合
権利保釈を請求する場合、刑事訴訟法89条各号の事由に該当しないことを具体的に主張する必要があります。
本来であれば、原則として保釈は認められなければならないのですが、実際は認められる可能性のほうが低いため、積極的に記載する必要があります。

 

■裁量保釈を請求する場合
裁量保釈を請求する場合には、保釈の必要性と相当性を主張する必要があります。
なお、権利保釈が容易に認められない傾向から、権利保釈とともに裁量保釈も請求しなければならないというのが実情です。
裁量保釈の考慮要素は、刑事訴訟法90条に規定されています。

刑事訴訟法90条
裁判所は、保釈された場合に、被告人が逃亡し又は罪証を隠滅するおそれの程度のほか、身体の拘束の継続により被告人が受ける健康上、経済上、社会生活上又は防御の準備上の不利益の程度その他の事情を考慮し、適当と認めるときは、職権で保釈を許すことができる。

 


弁護人は、これらの考慮要素から保釈が認められるべきであることを積極的に主張するとともに、身元引受書などの疎明資料を提出することになります。

投稿者: 弁護士法人桑原法律事務所

2018.04.10更新

前回は被告人段階での勾留について解説しました。
今回は、保釈について解説いたします。


保釈とは、保釈保証金の納付等を条件として勾留の執行を停止し、被告人を身体拘束から解放する制度です。

刑事訴訟法上、保釈請求があったときはこれを許さなければならないとされており(刑事訴訟法89条)保釈請求は認められるのが原則です。
これを権利保釈といいます。

しかし、実際には、除外事由により、保釈請求が認められないことのほうが圧倒的に多いという状況です。
すなわち、原則と例外が逆転しており、これは非常に問題だといわれています。

刑事訴訟法89条各号が定める除外事由は以下のとおりです。

1号
被告人が死刑又は無期若しくは短期1年以上の懲役若しくは禁錮に当たる罪を犯したものであるとき
2号
被告人が前に死刑又は無期若しくは長期10年を超える懲役若しくは禁錮に当たる罪につき有罪の宣告を受けたことがあるとき
3号
被告人が常習として長期3年以上の懲役又は禁錮に当たる罪を犯したものであるとき
4号
被告人が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき
5号
被告人が、被害者その他事件の審判に必要な知識を有すると認められる者若しくはその親族の身体若しくは財産に害を加え又はこれらの者を畏怖させる行為をすると疑うに足りる相当な理由があるとき
6号
被告人の氏名又は住所が分からないとき

もっとも、刑事訴訟法89条各号の除外事由に該当する場合でも、裁判所は、職権で保釈を認めることができます(刑事訴訟法90条)
これは、裁量保釈(任意的保釈)と呼ばれています。

 

 >> 次回は、実際に保釈を請求する方法について解説いたします。

投稿者: 弁護士法人桑原法律事務所

2018.04.10更新

前回までは被疑者段階での勾留について解説しました。
今回は、被告人段階での勾留について解説いたします。


被疑者は、起訴された後、被告人となります。

なお、被告人勾留の要件は、被疑者の場合と同様ですが、
勾留期間が異なります。

被告人勾留は、公訴提起があった日から2か月です(刑事訴訟法60条2項)。
被疑者の場合は、勾留請求日から、原則として10日間ですから、被告人勾留は、被疑者勾留の場合と比べると、かなり長いということになります。

さらに、特に継続の理由がある場合には、具体的にその理由を附した決定で、1か月ごとに更新することができます。
被疑者勾留の延長は10日間ですから、こちらも比較すると、かなり長いということになります。

なお、更新は、刑事訴訟法89条1号、3号、4号、6号に該当する場合(※下記①~④)を除いて、1回に限られます(刑事訴訟法60条2項但書)

 ①死刑、無期、短期1年以上の自由刑に当たる罪を犯した場合
 ②常習として長期3年以上の自由刑に当たる罪を犯した場合
 ③罪証隠滅のおそれがあるとき
 ④氏名または住居がわからないとき

投稿者: 弁護士法人桑原法律事務所

2018.04.10更新

前回までは被疑者段階での勾留について解説しました。
今回は、被告人段階での勾留について解説いたします。


被疑者は、起訴された後、被告人となります。

なお、被告人勾留の要件は、被疑者の場合と同様ですが、
勾留期間が異なります。

被告人勾留は、公訴提起があった日から2か月です(刑事訴訟法60条2項)。
被疑者の場合は、勾留請求日から、原則として10日間ですから、被告人勾留は、被疑者勾留の場合と比べると、かなり長いということになります。

さらに、特に継続の理由がある場合には、具体的にその理由を附した決定で、1か月ごとに更新することができます。
被疑者勾留の延長は10日間ですから、こちらも比較すると、かなり長いということになります。

なお、更新は、刑事訴訟法89条1号、3号、4号、6号に該当する場合(※下記①~④)を除いて、1回に限られます(刑事訴訟法60条2項但書)

 ①死刑、無期、短期1年以上の自由刑に当たる罪を犯した場合
 ②常習として長期3年以上の自由刑に当たる罪を犯した場合
 ③罪証隠滅のおそれがあるとき
 ④氏名または住居がわからないとき

投稿者: 弁護士法人桑原法律事務所

2018.04.03更新

弁護士の力丸です。

 

平成30年3月9日,警察庁から,平成29年犯罪の統計資料(確定版)が公表されました。

ご興味のある方は,こちらからご参照下さい。

https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&lid=000001202533

 

1 統計資料の見方

資料の見方を若干説明しておきます。

■「認知件数」というのは,警察等捜査機関が,犯罪被害の申告をうけるなどして,犯罪発生を認識した件数,ということです。

■「検挙件数」というのは,警察等が犯罪容疑で検挙した事件の数です。

■「検挙人員」というのは,警察等が犯罪容疑で検挙した被疑者の数です。

 

例えば,犯罪統計資料のうち,例年,数字が減少傾向にある犯罪全体のなかで,検挙件数と検挙人員が増加傾向にある【強制わいせつ罪】について,見てみましょう。

強制わいせつ H25 H26 H27 H28 H29
認知件数 7654 7400 6755 6188 5809
検挙件数 3976 4300 4129 4207 4320
検挙人員 2487 2602 2644 2799 2837

 

上記表は、統計資料の数字です。

「検挙人員」と「検挙件数」が一致しないのは,同一人物に複数件の犯行容疑のあることなどが理由です。

 

表から分かるとおり,例年強制わいせつの「認知件数」は減少しているのに,「検挙人員」と「検挙件数」は増加しています。
そのため,平成25年は7654件認知のうち3976件検挙と,5割ほどの検挙率でしたが,平成29年は5809件認知のうち4320件検挙と,7割5分ほどの検挙率となっています。

ここ4年間の検挙率の急上昇は,監視カメラの普及や携帯電話機能の向上,科学的捜査手法発展などによる賜物か,はたまた別の要因か・・・痴漢冤罪などの事態には強い注意を払いたいものです。

 

2 留意点

統計資料は,あくまで警察が計上統計して発表している数字であることを留意した上で参考にすべきでしょう。

(1)
まず,「認知件数」は,被害申告等によって,あくまで警察が認識できた件数であって,犯罪発生件数とイコールではありません。
昔は「犯罪発生件数」という言葉が使われていました。
しかし,全国の犯罪を警察で全て把握出来ているわけはなく,誤解を与える言葉であったため,「認知件数」という言葉に変更されたものです。

(2)
さらに,「検挙件数」及び「検挙人員」も,あくまで犯罪“容疑”で検挙したものであり,実際にはのちのち被疑者の疑いが晴れて不起訴となる事件や無罪となる事件なども含まれた数字です。
起訴事件や有罪事件の数字ではありません。

(3)
最後に,警察は,①犯罪を予防する②犯罪が発生した場合には犯人に然るべき処罰を受けさせる,という目標があります。

この目標については,①犯罪を予防する→“犯罪認知件数を減少させる”,②犯罪が発生した場合には犯人に然るべき処罰を受けさせる→“検挙率を上げる”という,単に数字上の達成目標に成り下がらないようにしなければなりませんが,統計資料では,少なからず「数字計上するか否かに影響する取り扱いの差異」が含有された上での数字となります。

「数字計上するか否かに影響する取り扱いの差異」というのは,犯罪発生とみなすか否かの取り扱い,被害届や告訴を受理するか否かの取り扱い,不審死についての事件死か事故死かの判断に関する取り扱い,など,都道府県,地域,警察官ごとの差異です。

そのため,まるっと鵜呑みにするのは避けた方が良いでしょう。

 

取り扱いに関しては,難しい判断を求められるものや,裁量の生ずるものもありますが,机上の数字目標のみに捕らわれ,上記のように本来の目標を見失うことがないようしなくてはならないものであることは,言うまでもありません。

 

 

弁護士 力丸

 

投稿者: 弁護士法人桑原法律事務所

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